【C105】1日目のジャンルの本でも2日目でそれなりに戦えた話
2025年になりました。
今年も何卒よろしくお願いいたします。
さて、今回はいつもの観戦記ではなく筆者が野球ジャンルでも活動している同人誌のお話になります。
年末のコミックマーケット105は「いい知らせと悪い知らせがある」という結果となりましたが、今回は「いい知らせ」となった野球ジャンルのお話になります。
★「悪い知らせ」となった旅行系ジャンルの話はこちらから↓

同人誌の野球ネタって評論ジャンルじゃないの?
コミックマーケットを始めとする同人誌即売会で売られる本として多くの方がイメージしがちなのはアニメやゲームのキャラクターが時にはあんなことやこんなこと(意味深)をされるイラストや漫画の形式の本だと思われますが、近年では任意の特集対象を決めて文章や写真を中心に情報をまとめる形式の「評論・情報系」の同人誌の知名度も随分と上がってきました。特に最近は前者のような同人誌と区別するために“ZINE”という呼称もあるようですね。
そんな「評論・情報系」のカテゴリーの本はコミックマーケットにおいては600ジャンルに分類されており、サークル数が多いため611として独立した鉄道や旅行のジャンルと共に2日目の東ホールに区画が用意されています。
筆者が執筆している野球の本も「任意の特集対象を決めて文章や写真を中心に情報をまとめる」タイプのものなので、当然そこのカテゴリーに…入っていません。
野球ジャンルのサークルはジャンルコード700に分類されています、これはサッカーなどの他のスポーツ、芸能人関連のネタなどと同じカテゴリーになります。
このカテゴリー分けの理由はTwitterのTLなどで定期的に話題になりその度に古くから野球ジャンルで活動されている方がお話しているので割愛しますが、問題となるのはその配置される日程です。コミックマーケットでは評論ジャンルとは異なり1日目に配置されてしまうのです。別にカテゴリーが違っていても同じ日に配置されていれば「情報・評論系」がお目当ての2日目の参加者の方々もお越しいただける訳ですが、そもそも日付が違うとその分大きな手間が発生し、せっかく興味を持っていただいても「じゃあ別に行かなくてもいいか…」となりがちでした。
そんな状況を打開するために筆者が考えたのが「個人サークルを2つに分裂させ、1日目の野球ジャンルと2日目の評論ジャンルにそれぞれ申し込んでスペースをいただき、それぞれの本を別の日にも買えるようにする」という作戦でした。
1年半ぶりの挑戦
そもそも筆者が野球ジャンルの本をコミックマーケットの評論ジャンルで売ったのはこれが初めてではありませんでした。
筆者が野球関連の本でコミックマーケットに初参戦した時は自分のスペースは出さず他のサークルさんに本を委託する形としたのですが、その委託先のサークルさんはれっきとした2日目の評論ジャンルに配置されていました。
これはその当時筆者がまだ「野球」と「評論」が別ジャンルであることに気付いていなかったことが大きな理由だったのですが、題材としたのがJR系列の野球部だったために「案外2日目の本が目当ての鉄道ファンにも売れるのではないか?」という側面もありました。
なお、その際は5~10冊程度の売り上げがあり、これは「同人活動を始めたてで告知なども満足に出来ていない」上に「ジャンル違い」の本の割にはかなり売れた方であったのは言うまでもありません。
そんな初参戦の時以来となった「評論ジャンルで野球ジャンルの本を売る」挑戦の結果は果たして…?
結果は…?

当日のスペース設営はこのような形。委託させていただいた野球ジャンルの本以外は右下のマガジンラックに重ねて入れるというあまり目立たない形で置いていたのですが…
いざ会が始まってみると、「野球ジャンルの本ってまだあります?」と尋ねられる方やマガジンラックを漁ってお目当ての本を見つけて読まれ、買っていく方などが想定以上に多く、遂には1日目の野球ジャンル向けに用意した観戦記の新刊が10冊程度売れて前日の売り上げと併せて無事完売し、既刊と委託もかなり手に取っていただいて結果として20冊以上の売り上げが出ました。勿論この日はジャンル通りの旅行記などの方が冊数は出ましたが、それでも野球ジャンルの本の売り上げはこの日の全体の売り上げの1/3程度を占めるまでに至りました。これは「十分に戦えた」と云えるのではないでしょうか。
次回はどうする?
野球ジャンルについては「2日目にも頒布する」作戦が大成功に終わった訳ですが、こうなると悩みの種になるのが次回のコミックマーケット106の申し込み方です。
今回のように両日参加したいのは山々ですが、前回のコミックマーケット104の際はホール内の蒸し暑さにやられて熱中症寸前まで行ったことを考えると、かなり対策しなければ両日参加は冗談抜きで命に危険が及んでしまいでしょう。
どちらかで参加するか、対策に対策を重ねてなんとか両日出るか…そこに関しては申し込み開始までまだ1、2か月はあるのでじっくり検討したいと思います。
ということで、今回の記事はここまでとしたいと思います。今年はブログ方面も観戦記だけではなく色々なネタに挑戦して音信不通にならないように頑張りたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。
それではまた。
2024.09.28 日本選手権大会北海道地区最終予選・巴戦 / 日本製鉄室蘭球場
お久しぶりです。
なんと1年近く更新を滞らせてしまっていました。

今回は日本選手権の北海道予選・巴戦に行ってきたので、その様子をお伝えしていきます。

北海道室蘭市内の「日本製鉄室蘭球場」にやってきたのは8時10分頃。
JR室蘭本線・東室蘭の駅前からバスに乗り、「日本製鉄球場前」で下車しました。
企業グラウンドがバス停名になっているのは結構珍しいかも?

第1試合はJR北海道硬式野球クラブと日本製鉄室蘭シャークスの試合。
1塁側室蘭シャークス側スタンドには地元開催ということもありかなり多くの方が詰めかけていました。

第1試合は写真撮影をメインにするのにあたり、光線の状態がよさそうだったJR北海道クの3塁側に陣取りました。
先ほど東室蘭駅前のセイコーマートで購入したおにぎりをつまみに1杯いただきます。

応援グッズは室蘭シャークス側でうちわとスティックバルーンの配布とビブスの貸し出しが行われており、JR北海道ク側もメガホンの貸し出しがありました。

試合は若干のJABAタイムが発動して9時前に始まりました。
先攻・室蘭シャークスは白のメインユニフォーム、後攻・JR北海道クは緑色のセカンドユニフォームで試合に臨みます。

今大会4試合目にして3回目の先発を任されました。

1回表の室蘭シャークスは1番・青木健太選手(駒大苫小牧→駒澤大)が内沢選手にいきなり12球を投げさせた上に四球をもぎ取りますが、後続が続けず無得点。

室蘭シャークスの先発は遠藤暉世己選手(稚内大谷高→青森大)。下の名前は「きせき」と読むそう。
こちらは今大会2試合目の先発ですが、前回の登板もJR北海道ク戦で、かつ相手の先発投手も内沢選手だったのでその時と全く同じ顔合わせになりました。

JR北海道クは四死球が重なって作った2死満塁のチャンスで6番・久後健太選手(明徳義塾高→天理大)のライト前タイムリーで1点を先制します。

一方の室蘭シャークスも3回表の1死2塁の場面で1打席目で粘りを見せた青木選手と2番・松嶋和将選手(千葉経大付→青森大)の連打が飛び出し、試合を振り出しに戻します。


序盤は互角の戦いを見せていた両者でしたが、中盤以降はJR北海道クが圧倒していきます。
4回裏に2死3塁のチャンスで1番・山本昂征選手(花咲徳栄→東北福祉大)がセンター前タイムリーヒットを放って1点を勝ち越し。

室蘭シャークスはここで左腕の石澤大和選手(網走南ヶ丘→東農大オホーツク)を2番手として送り込みます。

直後の5回表にはJR北海道クもピッチャーを交代させます。
2番手で登板したのは先日のプロアマ交流戦で日ハム打線から三者連続三振を奪い、見事「パテレ行き」となったことも記憶に新しい大崎黎選手(智辯和歌山→敬愛大)。
1イニング目はボールが先行しがちになり、味方のエラーや自らのボークもありピンチを招きますが、無失点で切り抜け、2イニング目以降は相手打線を圧倒します。
結果としてはこれ以上ない完璧なタイミングで継投出来た形となりました。


6回裏にはJR北海道打線が更に攻勢を強めます。
2死13塁から山本選手が二打席連続タイムリーを放つと、3番・石川楓雅選手(駒大苫小牧→大阪体育大)の2点タイムリーと4番・松井祐紀選手(掛川西→中京大)のタイムリーで4点を挙げるビッグイニングを作り、5点をリードする優位な展開に。


そして大崎選手は室蘭シャークス打線に1本のヒットも許さない好投で最後まで投げ切り、6ー1でJR北海道クが勝利。球場の雰囲気は完全にアウェーの状態でしたが、投打に渡って室蘭シャークスを圧倒しました。
室蘭シャークスは初回に得点を奪えなかったのがかなり痛かったように思えます。

JR北海道クは1塁側ベンチに移動した上で白のメインユニフォームにお色直しして巴戦第2試合の北海道ガスとの試合に臨みます。
JR北海道クが勝てばその時点で同チームの本戦出場が決まり、北海道ガスが勝てば翌日に室蘭シャークスとの試合が組まれ、連勝で北海道ガスの本戦出場決定、室蘭シャークスが勝てば更にトーナメント戦が行われるという状況になりました。

前の試合に続き後攻となったJR北海道クの先発は夏井康吉選手(東北高→富士大)。
中軸に左打者の多い北海道ガス打線に対し経験豊富な変則左腕を当ててきたようです。


1回表の北海道ガス打線はJR北海道クの連携ミスで出塁した1番・安田大将選手(駒大苫小牧→亜細亜大)が2番・武井伽耶飛選手(函館大有斗高→函館大)の左中間を破る当たりで一気に生還し、幸先よく先制点を上げます。

その後無死13塁となりますが、夏井選手はこの回を最少失点で切り抜け、その後も毎回ランナーを出すものの要所を締めるピッチングで北海道ガス打線の攻撃を上手くかわして徐々に流れを引き戻していきました。

一方の北海道ガスの先発は今年の都市対抗本戦で優勝候補と目されていたNTT東日本の前に立ちはだかり、北海道勢通算100勝に大きく貢献した村上大芽選手(津名高→立命館大)で、この日も序盤からかなり飛ばしていた印象でした。


「村上選手は流石の出来ではあるけど結構強い当たりは飛ばされているから、JR北海道ク打線は長打が出るのを信じて強く振っていくしかないかなぁ」と思っていると、4回裏1死走者なしから3番・石川選手が放った打球がレフトスタンドに突き刺さって同点としました。

「夏井選手が粘っているうちに長打を出して五分に戻す」という展開はこの時点でJR北海道ク側としてはかなり理想的な展開だったと思いますが、続く4番・松井選手の当たりが詰まりながらもいいところに落ちてツーベースとなったことで畳みかけるチャンスがやってきました。

ここで打席に立ったのが今やJR北海道クの看板選手に成長した南木寿也選手(桐蔭学園高→青山学院大)で、この日は5番指名打者で出場していました。
ここで追い込まれながらも放った強い打球はレフト線へ。

これもツーベースとなりJR北海道クが2ー1と逆転に成功。更にチャンスが続きます。



2死2塁となったあと、7番・内藤諒一選手(中京大中京→國學院大)、8番・西山裕貴選手(国士館高→東北福祉大)、9番・村北翔哉選手(東邦高→愛知学院大)の3者連続タイムリーでさらに3点を追加して5-1に。
一度火が付いたら止まらないJR北海道ク打線が本領を発揮し、村上選手を一気にノックアウトしました。

JR北海道クは直後の5回表からこの試合でも継投策に入り、2番手として伊藤勝大選手(旭川明成高→北翔大)がマウンドに上がりました。
この伊藤選手が7回まで1人のランナーも出せない好投を見せ、一度掴んだ流れを手放さずに終盤までゲームを持っていくことに成功しました。

5回裏以降も毎回ヒットが出ていたJR北海道ク打線でしたが、7回裏には1死3塁から同点ホームランを放った石川選手のタイムリーヒットが出て待望の追加点を獲得。
しかしその後の一打出ればサヨナラコールドかというチャンスでは走塁ミスもあり、ここで若干の「隙」を見せてしまいます。


これに付け込みたい北海道ガスは8回表にここまでパーフェクトピッチングを許していた伊藤選手からチャンスを作ると、3番・小栗研人選手(横浜創学館→星槎道都大)のタイムリーなどで2点を返して3-6とします。

9回表の北海道ガスも無死12塁とし、ホームランが出れば同点となるところでJR北海道クは3番手として内沢選手を起用。1戦目の先発投手に後を託します。


内沢選手は後続の打者をショートライナーとダブルプレーに抑え、試合終了。
6-3でJR北海道クが勝利し、2年連続で日本選手権本戦への切符を勝ち取りました。

昨年は初戦で東京ガスに敗れましたが、今年は勝利を期待しましょう。

…ということでいかがだったでしょうか。
カメラも新しい機材を導入し、以前よりも理想通りに撮れることも増えてきた気がしますので、今後もマイペースで更新していければと思います。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
2023.07.22 日本通運 vs. トヨタ自動車(第94回都市対抗野球大会準々決勝 / 東京ドーム)
こんばんは。
今回は前々から話していた「都市対抗のトヨタ戦の記事を日本選手権までに書く」という目標をその初戦の未明に消化するという計画性のなさを以てギリギリ消化しようと思います。
始発で出ないといけないのであまり時間もない状態ですので、前置きもそこそこにしておいて早速お話ししていきましょう。

▲【トップ画像】味方の反撃を見守る松澤選手(左)と古田島選手(右)
筆者が日本通運を応援し始めてから初めてとなる都市対抗野球での2回戦突破、その後に待ち受けていたのは前年の日本選手権を制した豊田市代表・トヨタ自動車でした。
1チームあたりとしては最大で5試合行われる都市対抗においては初戦、第3戦(準々決勝)、決勝の奇数回の試合でエース格の投手が登板することがセオリーとなっていますが、この試合でも例に違わず、日本通運は古田島選手、トヨタ自動車は嘉陽選手による投げ合いになりました。

(▲トヨタ自動車・豊田章夫社長直々のメッセージ広告を背景に投球する嘉陽選手)

「プロでも十分通用する実力がある」と云われながら同チームでレジェンドとして崇められる先輩投手・佐竹選手を目標として社会人野球でのプレー続行に対して強い拘りを持つ右腕を見るのは筆者自身初めてでしたが、その力は想像以上でした。
150km/hに達する速球をテンポよくコーナーに投げ分けて凡打の山を築き上げ、今大会2試合で凡退がなかった北川選手を筆頭に全体的に好調だった日本通運打線が嘘のように全く手出し出来ない状態にありました。



一方の古田島選手は1回と2回に得点圏にランナーを背負いながら0に抑えると、そこから本領発揮。
3回から5回まで打順一回り分をパーフェクトに抑える力投を見せます。
筆者は撮影のために有料の席に座っていますが、チーム券を使えば無料でこの非常にハイレベルな投手戦を見られるのはなかなか凄いなとすら思わされました。
しかし、日本通運打線が嘉陽選手に簡単に捻られ、攻撃の時間が一瞬で終わる状況では古田島選手がかなり不利な状況にありました。

古田島選手は6回に2アウトから連打を浴びて失点を許したところで降板。
庄司選手に後を託します。

古田島選手は降板後もベンチの最前列に立ち、時には大きな声を出してナインを鼓舞していました。


最少失点に抑えて反撃を待ちたい日本通運でしたが、一度火が付いたらなかなか止められないのがトヨタ自動車打線の恐ろしいところ。
庄司選手はアウトを奪えず、ここまで2試合に登板してルーキーらしからぬ圧倒的な投球を披露してきた松澤選手もここで初めてヒットを浴び、4-0とリードを拡げられてしまいます。


なんとか守備を終わらせて帰ってきた守備陣を古田島選手が迎え入れるシーンもありました。


するとその直後、日本通運打線が反撃を開始。
先頭の添田選手が左中間へ打球を弾き返し、ようやく嘉陽選手のパーフェクトピッチングを打ち砕きました。

そしてやや無謀かと思われたタイミングでしたが、2塁を陥れてツーベースとしました。
反撃ムードが一気に高まります。

1アウト1・2塁となり、打席には4番の森松選手。
古田島選手が一学年後輩の松澤選手に声を掛けつつ、共に戦況を見守ります。


森松選手はライト前タイムリーヒットを放ち、難攻不落かと思われた嘉陽選手から1点をもぎ取りました。
先ほどのような回があっても「無条件降伏」にならず、すぐに反撃を浴びせることが出来るのは今年の日本通運の強さだなと感じました。

2死1・3塁となり、6番の補強選手・平山選手の打順で代打で楠本選手が登場。
しかしバットをへし折られてセカンドゴロとなり、反撃は1点で終わります。

しかし次の回に登板した平元選手も1点を失い、再び点差は4点に。



すると次の7~9番の打順では代打攻勢。
木南選手に沓澤選手、手銭選手に高橋選手、木村選手に補強の小松選手が送られますが、いずれも倒れて三者凡退に終わります。


小松選手は1塁にヘッドスライディングした際にユニフォームが破れてしまうアクシデントが発生し、やむなく木村選手からユニフォームを借りるという珍事も。


そして8回裏には古田島選手らと同じ2年目の清水選手が都市対抗デビューを果たしました。

清水選手はそんなマウンドを見事に無失点で切り抜け、ベンチはこのリアクション。

こちらも2年目の同期でこの試合からベンチ入りしていた大友選手が清水選手を熱い抱擁で迎え入れます。
同期の絆の強さを感じます。
さて、まだ9回表の攻撃がありますが、写真撮影も放棄して自分としては珍しく熱を入れて応援していたので写真はありません。
ということで、一通り写真を貼り終えたので本稿はこのあたりで終了です。
試合の総括については日本選手権終了後に今シーズンの総括もすると思うので、その時にまとめて出来ればと…
これから大阪に出向きますが、日本通運の初戦の相手はトヨタ自動車と決勝で互角の戦いをして堂々の準優勝となったヤマハ。
初戦としてはあまりにタフな相手であることは言うまでもありません。
今シーズン最後の大会となりますが、最後まで無事見守って行ければと思います。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
2023.09.21 日本通運 vs. 東芝(2023年JABA関東選抜リーグ戦 / 等々力球場)
こんばんは。
本日は久々に日本通運野球部の観戦記を書きます。
記事がしばらくなかったので最近は試合観戦に行っていないのかというとそうではなく、ただ単純に写真と記事をまとめるまで至らなかったという状況です…

…閑話休題。
さて、今回は先々週に行われたJABA関東選抜リーグ戦・東芝戦の模様をお伝えしていきます。
また、YouTubeで観戦動画も公開していますので、当記事は写真をメインにしつつ動画内では言及できなかったことを中心にお伝えします。


この日の両チームの先発は東芝が北村選手、日本通運は板川選手で、ルーキー左腕同士の投げ合いでスタートしました。
北村選手の背番号は去年までは吉村選手(現・ヤクルト)が背負っていた19番。
かなり期待されているということでしょうか。
一方の板川選手は、自分が見た限りでは公式戦での登板は下記リンクの記事でも取り上げているJABA四国大会以来で先発をするのは初めてかな?と思い一球速報の選手ページを確認しましたが、やはりその通りだったようです。
JABA日立市長杯以降の公式戦では全く登板がなく、都市対抗予選等でもボールボーイやスタンドでのビデオ撮影係等をやっていたのでコンディション不良があったのかもしれませんが、都市対抗終了後のオープン戦からは無事マウンドに戻ってきました。
さらに、九州遠征(近々記事にします)の際には先発で長いイニングも投げていて今回もまた先発ということで、これまたコンディション不良(と思われる状態)の川船選手が間に合わない場合は11月の日本選手権で先発をする可能性もありえます。
また、今年のドラフトで2年目投手(古田島選手、川船選手、平元選手、清水選手)などが場合によれば複数名ドラフトで指名される可能性があることを考えれば、来年以降は主戦級の役割が期待されることとなるでしょう。
試合開始のサイレンが鳴り止む前に出塁してるの流石すぎる。
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月22日
…そういえば、ヒット打った時のポーズがラヴィットから変わってました。
何のポーズなんでしょうか…?#日本通運 #添田真海 選手
【📹2023.9.22 等々力球場/2023年JABA関東選抜リーグ戦】 pic.twitter.com/MXhvT7E0Iu
日本通運が先攻で始まった試合は、1番・添田選手が初球をセンター前に運んで試合開始のサイレンが鳴りやむ前にノーアウト1塁とします。
春先までの添田選手は他の主力選手と同様に重要度の低い試合では出場しないこともあったのですが、都市対抗野球以降はオープン戦などにもほぼフル出場しているようです。
どういった意図なのかは分かりませんが、これまでよりも見れる機会が増えたのは嬉しいことです。

また、添田選手に関しては、都市対抗でもすっかりお馴染みとなった塁上での「ラヴィット」ポーズがなくなり、新たなポーズに切り替わったようです。
「人差し指を立てた右手を頭上で横にして回す」このポーズには何か元ネタがあるのでしょうか?
少し気になっています。

さて、その後盗塁とキャッチャー悪送球によって3塁まで進んだ添田選手は3番・沓澤選手のファーストへの当たりで本塁を陥れ、日本通運が幸先よく先制します。

日本通運打線はさらに2・3回もチャンスを作り、2回は無得点に終わりますが3回は4番・北川選手のタイムリーが出て2-0とリードします。
北川選手は昨年までは不動の4番という立ち位置でしたが、春先に不調だった時期もあった今年は3番で起用されることが多くなりました。
そのため、久々の公式戦での4番起用は昨年以前より見ているファンからすると「実家のような安心感」(?)があったかもしれません。

一方反撃をしたい東芝打線は1・2回は板川選手に要所を締められ、得点を挙げることが出来ません。
ところで、昨年まで3年間在籍した絶対的エース・吉村選手が去った今年の東芝は、それに代わる「新たな軸」を獲得しています。
それが有望なルーキー達、特に山田選手・斎藤選手・下山選手の内野手3名です。
山田選手は東都大学リーグの1部リーグで強さを発揮している青山学院大、斎藤選手と下山選手は共に東京六大学リーグの法政大と慶應大出身です。
そして経歴を高校まで遡ると、3選手は東海大相模、横浜高校、慶應義塾高校出身で、もし東芝ファンと神奈川高校野球ファンを兼ねている方がいれば大興奮間違いなしの贅沢な補強に成功したと言えるでしょう。
そんな選手たちが一度に入社してきたことも凄いことですが、3選手は春先の「スポニチ大会」からいきなりスタメン、それも上位打線に大抜擢されて申し分のない働きをしてチームに優勝と日本選手権出場権をもたらしています。
そんな既に新しいチームの看板になりつつある3選手は2番セカンド山田選手、3番ファースト斎藤選手、4番サード下山選手という布陣で日本通運投手陣に挑みます。
東芝・齊藤くん、日通・板川くんからタイムリーヒットってこれ横高の同期対決やんか pic.twitter.com/mActXCNOyz
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月21日
東芝は3回、3番・斎藤選手のタイムリーで1点を返し、1-2とします。
先ほども少し触れましたが、斎藤選手は横浜高校出身の大卒ルーキー、一方で日本通運の板川選手も同様なので、実はこの2人は元チームメイトだったんですね。
世代としては2018年卒業で、北海道日本ハムファイターズの万波選手も同じ代です。
夏の甲子園では結構勝ち進んでいたと思いますが、最後は「旋風」を起こしていた金足農業に惜しくも敗れています。
それも少し前の出来事だったような気がしますが、その時の球児たちが大学生活を終えて社会人野球の舞台で戦っているのは時の流れを感じます。


先ほど東芝のルーキーの話をしましたが、日本通運側も7番キャッチャー山本選手、8番センター宮崎選手とルーキーが2名スタメンに入りました。
山本選手の武器といえば、やはりキャッチャーらしからぬ俊足ぶりでしょうか。
今年の日本選手権では終盤の勝負所で木南選手や高野選手が出塁した際に代走として出場してそのままマスクを被るといった起用法があるかもしれません。
また、他の若手捕手だと大友選手も結構足が速いことを確認しているので、数年後の日本通運打線はキャッチャーまで足を絡められる恐ろしいレベルの機動力野球が展開できるかもしれません。
そして宮崎選手も都市対抗本選までの出場機会はかなり限られていましたが、夏場以降はオープン戦等で積極的に起用されています。
今年の日本通運でセンターを守る選手は宮崎選手を除けば手銭選手と高橋選手の僅か2名で、その2人もベテランの域なので若手は宮崎選手だけになります。
そのため若手向けの出場機会を全て享受できる今のうちの経験を積んで力を付け、センターのレギュラー候補に名乗りを上げていってほしいところです。


東芝は4回から粂選手が登板。
ドラフト候補にも名前が挙がっているサイドスロー右腕です。


投球練習中、日本通運のベンチ前では古田島選手と清水選手が粂選手の投球フォームについて語り合っていました。
その独特なメカニクスは同業の選手にとっても興味があるようです。
そんな粂選手は3イニングをヒット1本に抑える好投を披露し、日本通運ペースとなりつつあった試合の流れを引き戻すことが出来ました。

東芝は7回から3番手として善選手がマウンドに上がります。

日本通運は7回に先頭の宮崎選手に送られた代打・高橋選手がヒットで出塁。
公式インスタでもたまに言われる「ノーイチの男」としての役割を果たしてチャンスメイクをし、2アウト満塁にまでなりますがあと1本が出ず。

一方2番手以降のピッチャーの粘りの投球で流れを取り戻した東芝打線は、7回裏に1番・田中選手のタイムリーヒットで同点とします。

その後2アウト1・2塁となったところで板川選手に代わり庄司選手がマウンドへ。
また同時に直前のプレーで指?を負傷した稲垣選手に代わり楠本選手がサードに入っています。
庄司選手はデッドボールで2アウト満塁としますが、次の打者をショートライナーに打ち取って勝ち越しは許しません。

その後8回表の日本通運もランナーを出すものの得点を奪えず迎えた8回裏、3番手として清水選手がマウンドに上がります。

しかし下位打線に3連打を許して1アウト満塁として迎えた1番の打順、先ほどタイムリーを放った田中選手に代わって福山選手が代打で送られます。
木村さんよく取ったけどこれで東芝勝ち越し pic.twitter.com/QcJU7rGaoG
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月21日
セカンドへのヒット性の当たりをセカンドの木村選手がダイビングキャッチしてセカンドゴロとしますが、バックホームは出来ず、東芝が勝ち越し。

福山選手は先述したルーキー内野手3人が起用される影響で出場機会を減らしているものの、ここぞの場面で仕事をして存在感をアピール出来ました。
そして2番・山田選手のタイムリーも出て東芝が4-2とリードします。

9回表、後のない日本通運は1アウトから1番・添田選手がこの日4安打目となるヒットで出塁します。

しかし途中から2番に入っている楠本選手がダブルプレーに倒れてゲームセット。

序盤は圧倒的に日本通運ペースでしたが、終わってみれば東芝がほぼ倍のヒットを放って突き放したゲームとなりました。
また、関東選抜リーグはこの試合で東芝が2位となって決勝トーナメントに進出、日本通運は敗退となっています。

さて、記事の完成が遅れているうちに社会人日本選手権の抽選会が行われ、日本通運の初戦の相手はヤマハに決定しました。
今年の都市対抗野球で準優勝しているチームで、いきなりタフな相手に当たってしまったのは言うまでもありません。
ただ、2回戦3回戦が鬼門になりがちで初戦は比較的勝ち上がることの多い日本通運が今回も勝ち上がってくれることを信じるしかありません。
なお、もしヤマハに勝てた場合は次の対戦相手は大阪ガスと東芝なので、もし後者が上がってきた時は今回記事で取り上げた試合のリベンジに期待しましょう。
それでは、このあたりで今回の記事はおしまいです。
記事にしたい試合が相当数溜まっているので時間があればどんどん消化していきたいところです。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
2023.09.07 SUBARU vs. セガサミーほか(第48回社会人野球日本選手権大会 関東代表決定戦 / 大田スタジアム)
皆様、大変お久しぶりです。
諸事情で久しぶりのブログ更新となります。

▲【トップ画像】この日猛打賞、勝ち越しのホームイン、ピンチでの守備と走攻守に渡って大活躍だったSUBARU・森下選手
前回から引き続き、都市対抗のトヨタ vs. 日本通運の記事を…というところですが、今回はそれを一旦保留しまして(日本選手権本選までにはなんとかしたい…)、先々週の大田スタジアムでの試合の様子をお伝えします。
なんと、当ブログでは地味に初めて南関東地区のチームが絡まない試合を大々的に取り上げるようです()
どうか最後までお付き合いください。

さて、バスを使って大田スタジアム付近までやってきました。
【宣伝:行き帰りのバス乗車記】

「今回は南関東地区は関係ない記事になる」と先述しましたが、1つ前の試合が日本製鉄かずさマジック vs. オールフロンティア という都市対抗の南関東予選でもガッツリありがちな対決でした()

来場した時は6回裏のかずさマジックの攻撃中で、1点追加して7‐2とリードを拡げている場面、オールフロンティアは平川選手が投げていました。

かずさマジックは2アウト1・2塁のチャンスで6番・勝俣選手が打席に。
ファーストストライクから強振してライトへ鋭い打球を飛ばしますが…

ライトの吉内選手(写真中央)が見事なダイビングキャッチでこれをアウトに。
抜けていれば7点差となり、次のオールフロンティアの攻撃次第ではコールドとなっていたかもしれないので非常に大きなプレーでした。
では、ここで一旦スタンドを離脱して大田名物の「アレ」をゲットしに行きます。

向かったのはみんなだいすき伊勢屋さん。
勿論おにぎりを注文します。
伊勢屋さんのおにぎりはお米が炊けてないタイミングでは提供にかなり時間を要してしまうのですが、ここ最近はJABAの東京都連盟のアカウントでお米の炊け具合を教えてくれるようになりました。
「真面目に試合の情報を流せ」という声もありますが、実際利用者からするとかなり助かる情報なのでありがたい限りなんですよね。

手前が鮭で奥が明太子です。筆者の持ち方が悪く少し潰れてしまいました。
お値段は少し前に明太子だけ50円値上がりして350円、それ以外の具材では300円。
そこに350円の豚汁を付けて1000円分のお買い上げをしました。
(ちょうど小銭の持ち合わせがなかったため)
今回大田スタジアムにやってきたのも何割かはこのおにぎりが目当てでした。
この食べ応えがあって塩味がしっかり効いたおにぎりは時折無性に食べたくなってしまうんですよね。
さて、試合に戻っていきましょう。
かずさマジックは8回表から山本選手がマウンドへ。
今年の 都市対抗南関東予選・日本通運戦でも先発し、好投を見せた剛腕です。
この日は150km/h後半を何度も記録し、最速は157km/hでした。
大田スタジアムのスピードガンの精度は不明ですが、球がかなり走っていたことは間違いなさそうです。

山本選手はオールフロンティア打線を2回無失点に抑え、7‐2で試合終了。
かずさマジックが代表決定戦に進出しました。

第1試合終了後・SUBARUとセガサミーのアップとシートノックがはじまります。
予定時間から20分遅れて13時20分試合開始となりました。

セガサミーの先発はエース・草海選手。

一方のSUBARUの先発は阿部選手。
今年の都市対抗野球で完封勝利も上げた左腕エースです。

しかしこちらの立ち上がりは苦しいものに。
セガサミーの1番植田選手と2番高島選手に連打を浴び、その後1アウト満塁のピンチとなります。

しかしそこから5番高本選手と6番宮川選手から連続三振を奪い、ピンチを脱します。



すると直後の2回表、SUBARUは5番・古川選手が1アウトからスリーベースヒットで出塁し、チャンスを作ります。


2アウト後、7番海老根選手もスリーベースを放ち、SUBARUが先制します。
海老根選手は大阪桐蔭時代から注目度が高かった選手ではありますが、半年前まで高校生だった選手が社会人トップクラスの投手に追い込まれてから長打を放つのはなかなかに凄いことだと思います。
高卒社会人のカテゴリーで見ると、今年のドラフトで度会選手(ENEOS)がNPBに指名される可能性が高そうですが、海老根選手はその後に最も注目される選手の一人になっていきそうな気がします。


3回表、SUBARUは1アウトから1番・中里選手が出塁しますが、盗塁失敗。


その後2番の藤原選手はフルカウントからフォアボールかと思われたものの判定はストライクで見逃し三振でした。

その直後の3回裏、先頭の2番・高島選手がソロホームランを放ちます。
こちらも1年目のルーキーですが、来年・2024年はこの高島選手に加えて都市対抗で若獅子賞を受賞した東海地区の外野手トリオ(三菱自動車岡崎・中村選手/東海理化・門叶選手、福本選手)も指名解禁となるので、ドラフト的にみると社会人外野手の候補がかなり充実した年になりそうです。

さらにまた直後の4回表のSUBARUは先頭の3番・森下選手がヒットで出塁。

続く4番・小玉選手はバントの構えからヒッティングに切り替えた当たりがセガサミーのショート・中川選手のエラーを誘い、ノーアウト1・2塁のチャンスとなります。
海老根くん第二打席は三振
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月7日
ここは草海さんが意地を見せた pic.twitter.com/JzKJJfJyCI
2アウト1・3塁となり、再び7番海老根選手となりますが、ここは草海選手が意地を見せて三振に打ち取り、SUBARUは勝ち越すことが出来ません。
その後お互いにチャンスを作るものの得点に結びつかないという展開が続きますが、8回表、4番・小玉選手のレフト線への当たりで1塁ランナー・森下選手が激走してホームイン。ついに均衡が破れます。

しかしセガサミーも食らいついていきます。
直後の8回裏の先頭・途中代走から5番に入った谷口選手が出塁。
その後エラーなども重なり1アウト満塁となります。
【?報】大田スタジアム、セガサミーのチャンスで野良輝彦発生 pic.twitter.com/6hwixDoSPN
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月7日
この日、両チームのスタンドで応援団の活動はなかったのですが、なんとここでセガサミー側のファンがアカペラでチャンステーマ「輝彦」を演奏し始めます。
余程チームを愛していなければこのようなことは出来ないでしょうから、ただただその情熱には脱帽します。
しかしこれで応援がある時と全く遜色がないような「セガサミー特有の圧力」のようなものが発生したので、場内の雰囲気が一気に高まります。
しのいだー!!!! pic.twitter.com/KH7euCagnp
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年9月7日
ただここはサード・森下選手の堅実なプレーもあって阿部選手がリードをしっかりと守り、エースとしての役割を果たします。

リードを守り切ったSUBARUは9回の表、7番・海老根選手のこの日2本目のヒットで出塁し、8番・新出選手がしっかりと送ってチャンスを拡げます。

そして9番・日置選手の打席でキャッチャーの牽制悪送球があり、さらに日置選手もフォアボールで出塁して1アウト1・3塁となります。

セガサミーはここでピッチャーが荘司選手に交代。
こちらもルーキーで、国士舘大の出身です。

1番・中里選手は左対左の対決ながらもセンター前ヒットを放ち、3-1としてリードを2点に拡げることに成功します。


2番・藤原選手がレフトフライに倒れたところでセガサミーは再びピッチャーを交代。
古屋敷選手が登板します。
この日の大田スタジアムのスピードガンはスピードが出やすそうだったので下手したら160km/h台が出てもおかしくないかも?とは思いましたがそこまでは出ませんでした。
しかし150km/h台後半のボールでこの日猛打賞の3番・森下選手を打ち取り、打線の反撃を待ちます。

9回裏のセガサミーの攻撃は2番高島選手はライトフライ、3番黒川選手はショートゴロに倒れてあっさり2アウトとなります。

ここで4番・根岸選手にまさかの代打。
廣岡選手が起用されますが、セカンドゴロに倒れてゲームセット。

SUBARUが3-1で勝利し、かずさマジックとの代表決定戦に進みました。
その代表決定戦ではかずさマジックに僅差で敗れて惜しくも日本選手権本選への出場が叶わなかったSUBARUではありますが、今年はルーキー達が活躍を見せ、久々に都市対抗本選出場も叶ったので、来年以降にかなり期待が持てるシーズンとなったのではないでしょうか。
今後も是非適宜追っていきたいなという感じです。
ところで、この記事にも動画の引用として何個かリンクを張っておりましたが、最近YouTubeチャンネルを開設しました。
ジャンルごとにチャンネルを分けることにしましたが、当ブログと関連するのは上記の「BX野球観戦ch.」になると思いますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
YouTube活動等との兼ね合いが難しくなるのは承知の上ですが、こちらのブログについても放置しないように適宜記事を上げていけるように努めてまいります。
それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
2023.07.20 日本通運 vs. Honda熊本(第94回都市対抗野球大会2回戦 / 東京ドーム)
こんにちは。
準々決勝のトヨタ戦の直前にはなりますが、
先日の2回戦・Honda熊本戦の観戦記をお伝えしていきます。

▲【今回のトップ画像】稲垣兄弟対決でプレー中の弟・稲垣誠也選手
▼1回戦の記事はこちら

この試合では前の試合と同じく1塁側でしたが、先攻となりました。


始球式でバッターを務めたのはJFE東日本から補強の小松選手。
第1試合では平山選手がだったので、2試合連続で補強選手が務めることに。


1回表の日本通運は1番添田選手が凡退後、2番稲垣選手が出塁するという第1試合の初回と同じ形に。


3番北川選手の打席で1塁ランナー稲垣選手がスタートするところまでは第1試合と同じ流れでしたが、ここで北川選手が右方向に打球を放ちます。

打球は伸びてライトスタンドへ突き刺さり、2点を先制しました。
強力打線を擁するHonda熊本に初っ端からプレッシャーを掛けることに成功します。

1回裏のマウンドに上がった日本通運の先発はベテラン左腕の相馬選手。
2年目右腕・川船選手の先発が大方の予想でしたが、前の試合から引き続きベンチにすら入らないという結果になりました。
コンディション不良があったのか、それとも3回戦以降に向けた作戦なのかは不明ですが、少し心配ですね。

相馬選手は先頭の1番山本卓弥選手にフォアボールを許し、続く2番中島選手の送りバントで1アウト2塁となったところで3番の稲垣翔太選手を迎えます。
Honda熊本の稲垣翔太選手は日本通運の稲垣誠也選手の兄で、このカードは稲垣兄弟の直接対決としても注目されていました。

その稲垣翔太選手はファーストゴロ、4番の古寺選手もショートフライで3アウト。
試合の出だしは日本通運優位の展開となりました。
「狙い撃ち」#日本通運 #添田真海 選手
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年7月21日
【📹2023.7.20 東京D / #第94回都市対抗野球大会 】 pic.twitter.com/nuMFjatr8I
2回はお互いに三者凡退で終わったのち、3回表は先頭の1番添田選手がセカンドへの内野安打で出塁。
3番北川選手のヒットでチャンスを拡げ、4番森松選手の犠牲フライで1点を追加。
その直後でした。
”𝑩𝒊𝒈 𝑭𝒍𝒚 …”#日本通運 #大谷昇吾 選手
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【📹2023.7.20 東京D / #第94回都市対抗野球大会 】 pic.twitter.com/3wOyqutgPI
5番大谷選手が特大のツーランホームランを放って5-0。
試合の主導権をガッチリと握ります。

5( #稲垣誠也 選手)
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↓
4( #木村翔大 選手)
↓
3( #森松裕次郎 選手)
P #相馬和磨 選手ガッツポーズ #日本通運
【📹2023.7.20 東京D / #第94回都市対抗野球大会 】 pic.twitter.com/Oezjt2rZsB
援護を十分に貰った先発の相馬選手は4回、1アウト1塁2塁のピンチを迎えますが、6番の石井選手をサードゴロダブルプレーに打ち取ってピンチを切り抜けます。

順調な試合運びを見せる日本通運でしたが、Honda熊本には恐ろしい強敵がいました。

熊本県公式キャラクター「くまモン」が5回裏の攻撃でHonda熊本の応援スタンドに登壇します。
2021年大会のHonda熊本準優勝の際には登壇する度に打線の猛攻や奇跡の逆転劇を呼び込み、社会人野球ファンの間では「魔獣」として恐れられている存在です。

するとHonda熊本打線は1アウト後、明治大出身のルーキー・8番蓑尾選手がヒットで出塁したあと、1アウト満塁のチャンスを作ります。
そして内野ゴロと、今大会各試合で発生している野手がフライを見失うことによる長打も発生して3-5と追い上げ、早速「魔獣」が効果を発揮します。

日本通運7回表は8番の手銭選手から始まる、今年は点が入りやすい打順の巡りとなっていましたが、Honda熊本サイドはそれを察知してかエースの片山選手を投入。
狙い通り三者凡退に打ち取られ、流れを取り戻すことができません。

7回裏はここまで粘りの投球をしてきた相馬選手に代わって庄司選手が登板。
これで初戦と今回でベンチ入りしていた投手は全員マウンドを踏むことに。
先述した川船選手以外にもリリーフ要員のアンダーハンド右腕和田選手、速球派の2年目右腕清水選手も2試合ともベンチ外となっていたので、そちらも少し気になるところです。

庄司選手はヒットを2本許すものの2アウトまで漕ぎつけ、4番古寺選手を迎えたところで初戦に続いてルーキーの松澤選手に交代します。

松澤選手は社会人野球屈指の右の強打者・古寺選手に対しても堂々と攻め込み、ショートゴロに打ち取って2試合連続で火消しの役割を見事に全うしました。

すると直後の8回表、先頭の2番稲垣選手がヒットで出塁。
バッテリーミスと3番北川選手のバントで1アウト3塁のチャンスとします。
「4番の仕事」#森松裕次郎 選手 #日本通運
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【📹2023.7.20 東京D / #第94回都市対抗野球大会 】 pic.twitter.com/ihCFx6rJKp
4番の森松選手は2ストライクと追い込まれますが、叩きつけた打球が大きく跳ねて前進守備のサードの頭の上を越え、レフト前への貴重なタイムリーヒットとなって6-3とリードを拡げます。
相手のエース片山選手から得点を奪うことが出来たのは、相手に大きな絶望感を与えることになったかと思われ、非常に意味のある一打になったことでしょう。

8回裏は松澤選手が前の回から続投。

セカンドを守る東洋大学の1学年先輩にあたる木村選手もゴロを捌き、このイニングも危なげなく三者凡退で抑えます。
松澤選手が1イニング丸々投げるのは今大会初めてでしたが、テンポよくストライクカウントを重ねて終始有利に勝負を進めることが出来ました。

そして9回裏は初戦と同様に前田選手が登板。
今大会ではクローザーとして起用されていく方針になったようですね。

再度の「魔獣」くまモンの登壇にも関わらず、ランナーは1人しか許さずに3アウトを取りチームを勝ちに導きました。
序盤2戦で絶対的クローザーが誕生したことは大変心強いです。

「都市対抗は2回戦が鬼門」とされてきた日本通運が壁を突破しました。
もうここまで来たら一気に頂点まで行ってほしいばかりですが、3回戦・準々決勝の相手は昨年の日本選手権王者・社長と会長からのごほうび獲得に燃えるトヨタ自動車で、予選で下した名門チームからの補強選手も原動力となって起こっている今大会の「東海地区旋風」を止めることが出来るかも注目です。
3回戦となればいくらトヨタとはいえ投手陣をかなり消費しているのではないかと思っていましたが案外そんな様子はなく、逆に川船選手らが投げられるか分からない状態の日本通運サイドの方が難しい状態になっているため、厳しい戦いが想定されます。
しかし次勝てば強豪チームがひしめく「地獄のような」今回の都市対抗トーナメントAブロックを抜けることができ、黒獅子旗が大きく見えてくる大一番です。
勝負の時はもう間もなく、これから再び応援に行ってきます。
それでは、ここまでご拝読いただき、ありがとうございました。
2023.07.17 日本通運 vs. ミキハウス(第94回都市対抗野球大会1回戦 / 東京ドーム)
お久しぶりです。
前回の記事からちょくちょく観戦には行っていたものの、なかなかブログにまとめられずにご無沙汰してしまっていました。

▲【今回のトップ画像】試合前のノックに備える日本通運のベンチ入り外野手6名
▼【前回の記事はこちら】
今回も勿論日本通運のチーム券で…と行きたいところでしたが、今大会のチーム券の位置が全体的に外野寄りになっていたため、写真撮影がしづらくなるどころか応援団のエリアから遠い場所になってしまうのではないかと思い、事前にエキサイトシートを押さえました。

試合前には一部界隈で東京ドームの定番?とされているマリオンクレープを。
添田選手の地元・栃木県に因んでいちごトッピングにしました。

選手が近い上、防球ネットがないので撮影中にカメラのピントを持っていかれるストレスもありません。
指定席の中では割高の5000円弱ではありますが、それでもプロ野球開催時に比べればかなり安い上、今大会ではあまり人気がないので周りの人も少なくてかなり快適に観戦・撮影ができます。
勿論ファールボールが飛んできやすいというリスクは無視できませんけども。

都市対抗野球での日本通運の名物といえば、守備に就く選手の紹介の際に外野に全力疾走する手銭選手ですよね。
今回はそれを流し撮りしてみましたが、また次戦でも再挑戦の余地ありかなと。


先発は大方の予想通り2年目・ドラフト候補との呼び声も高い古田島選手。
この日もライン沿いで二度三度と左右に飛び跳ねてからマウンドに駆ける独特のルーティンで初回のマウンドに上がります。

試合前の始球式にはバッターとしてJFE東日本から補強の平山選手が登場。
この日は6番DHでスタメンでしたが、予選ではスタメンで唯一流動的になっていたところに経験も豊富な南関東屈指のスラッガーがやって来たのは心強いですね。

もう一人の補強選手・同じくJFE東日本からやってきた小松選手はベンチスタートで初回のライトとのキャッチボールに出てきました。
平山選手とは対照的に今年入社1年目で新進気鋭の選手ですが、所属チームでは1番ショートと添田選手と完全にポジションが被るので日本通運の補強選手として選ばれたのは少し意外でした。
直前のオープン戦での起用法を見るに、南関東予選第1代表決定戦で負傷した稲垣選手の状態次第ではサードのスタメンとして使う予定だったのではないかと考えられます。

ミキハウス打線は2番の小河内選手がヒットで出塁すると盗塁を決め、いきなり2アウトながら2塁のチャンスを作ります。

バッターは「秀政おじさん」の愛称で親しまれている4番の田中選手。

レフト線に落ちるタイムリーヒットでミキハウスに先制を許します。
古田島選手は特段調子が悪かった訳ではなさそうでしたが、ミキハウス打線は低めの球を見極め、追い込まれた後の際どいコースの球はファールで粘ることが全体を通して徹底されており、簡単に三振を献上しなかったことで古田島選手を大いに苦しめていたように見えました。
近畿地区予選を第1代表決定戦まで順当に勝ち進んでいたチームだったので決して簡単な戦いにならないとは思っていましたが、この時点で想像以上にタフな試合になりそうだなと感じさせられました。


1回表を何とか最少失点で切り抜けた直後の攻撃は、1番の添田選手はフルカウントまで持っていくもののキャッチャーへのファールフライに倒れますが、続く2番の稲垣選手はライト前にチーム初ヒットを放ちます。
ここで予選やJABA大会でも多く見せた機動力を駆使して畳みかけたい日本通運ですが、稲垣選手の盗塁は失敗。

3番北川選手はフォアボールで出塁しますが、4番森松選手はセンターフライで初回の攻撃は0で終わります。

古田島選手は2回は立ち直ってミキハウスの下位打線相手に危なげない投球を披露。
流れを呼び込みます。

すると2回裏は5番大谷選手・6番平山選手がミキハウス外野陣の隙にも付け込んでノーアウト2塁3塁の大チャンスを作ります。

7番木南選手は初球でデッドボールを受けてノーアウト満塁となると、8番手銭選手の内野ゴロの間に1点を返し、同点とします。

出塁した手銭選手はすかさず盗塁を決め、1アウト2塁3塁となりチャンスが継続します。

ここで迎えるのが9番の2年目・木村選手で、昨年は怪我のため出場出来なかったため、これが都市対抗デビューとなりました。


フルカウントになった後の6球目を弾き返した打球はセンターに抜け、勝ち越しのタイムリーとなりました。
やはりこの試合でも今年の日本通運打線の原動力となっている下位打線の3人が絡んで逆転に成功します。

そして1番の添田選手がきっちりと外野まで打球を飛ばして犠牲フライで3-1とリードを拡げます。
下位打線が好調でチャンスで回ることが多い今年の添田選手ですが、この試合でもこうした形でしっかり打点を稼ぐことが出来ました。

そして再び得点圏にランナーを置くべく1塁ランナーの木村選手が盗塁を仕掛けますが、ここもアウト。
牽制の回数制限導入なども追い風となって機動力も武器となっていた今年の日本通運打線ですが、この試合ではミキハウスバッテリーにほぼ完全に封じられてしまいました。

3回はお互いに無得点で終わりますが、4回表のミキハウス打線はノーアウト満塁のチャンスを作ります。
しかし古田島選手はここでギアチェンジして2者連続三振の後にファーストゴロで無得点で凌ぎます。
ただ古田島選手の球数はこの時点で70球を越えており、この後の継投をどうするか考えなければならない状況でした。

すると続く5回、ミキハウスは先頭の9番渡辺選手が出塁し、1番清水選手のバントから2番小河内のタイムリーヒットで3ー2と1点差に詰め寄ります。

さらに小河内選手は2つ目の盗塁を決め、3番の猪原選手もフォアボールを選んで1アウト2塁1塁と同点のチャンスを作ります。

ここで日本通運はピッチャー交代。
送り込まれたのはルーキーのサイドスロー右腕・松澤選手でした。
今年の日本通運の試合をそれほど見ていない方は、試合の行方を左右する場面でルーキーを投入するのは博打に出たと思われたかもしれませんが、松澤選手は入社以来リードした9回や延長戦タイブレークといった難しい場面に多く投入され、半年弱の間いわば「特殊な訓練」を受けてきた投手で、大一番でのこういった場面で満を持してデビューした形となりました。

先述したような場面で鍛えられてきた松澤選手はこの場面でもテンポよくストライクカウントを奪っていきます。

4番の田中選手をショートゴロに抑えたのち、5番の島澤選手は3球勝負で三振を奪い、大ピンチで堂々たるピッチングを披露しました。

ピンチの後でチャンスが来やすい場面、5回裏の日本通運は先頭の1番添田選手がヒットで出塁し、その後1アウト満塁のチャンスとなります。


5番の大谷選手の打球はセンターへ。


3塁ランナーの稲垣選手が生還し、犠牲フライで1点を追加して2-4と再び2点差を付けます。


続く6番平山選手もレフトへのヒットを放ちますが、レフト島澤選手の好返球で2塁ランナー北川選手はアウト。
しかし平山選手はこの試合複数安打と初戦から補強選手としての役割を存分に発揮してくれました。

6回表は3番手として平元選手が登板。
こちらも2年目の選手ですが、昨年は出場していないためにこの試合がデビュー戦となりました。
序盤から148km/hくらい出ており、「あれ?こんなに球速出たか?」と思っていると…

なんと、150km/hを記録しました。
平元さん151km/hです pic.twitter.com/qR3EHeUcqg
— じょーゆー (@YMN1_WorldNX) 2023年7月17日
その後151km/hまで記録。
6月末の関東選抜リーグの日本製鉄鹿島戦で1イニング限定で起用されたときにかなりの出力が出ていたのは見たのですが、まさかここまで出るとは。
おそらく現時点で今大会の左腕最速じゃないかと思われます。
ドラフト候補としても古田島選手川船選手らに負けていないところを見せられたのではないでしょうか。

ところが回跨ぎで登板した7回表は若干球速と精度が落ちたところでミキハウスの上位打線に回り、2アウト満塁のピンチとなったところでピッチャー交代。

同じく左腕の中田選手が4番手として登板、5番の島澤選手にはフルカウントまで持っていかれた後の6球目はセンター後方へ。

センターの手銭選手が上手くキャッチして事なきを得ます。
オートスタートの場面だったので一歩間違えれば走者一掃で逆転されていた危ないところでした。

続く7回裏は先頭の1番添田選手がヒットで出塁し、2番稲垣選手はバントで送ってチャンスが出来るという5回裏と似たような形に。

3番の北川選手はレフトへのヒットを放ち、1アウト1塁3塁に。
この日の北川選手は猛打賞の活躍となりました。


そして4番の森松選手は右中間に上手く運んで2点タイムリーとなり、6-2とミキハウスを突き放しました。
チャンスで頼れる主砲にもここで一本が出て、打線の繋がりもかなりいい感じになってきました。

8回表も中田選手が前の回から跨いでの登板となりました。

また、この回からは稲垣選手に代わってサードに小松選手が入りました。
稲垣選手は故障明けでそこも配慮しての途中交代といったところでしょうか。

中田選手は先頭の6番西川選手にツーベースを許しますが、その後は三者連続三振を奪い、無失点でマウンドを降ります。
チームのインスタでは「中田のアニキ」とも呼ばれる左腕がしっかりと役目を果たしました。


すると8回裏は先頭の7番木南選手が初球をフルスイング。

レフトスタンドに突き刺さるホームランとなり7-2となりました。
今年の木南選手はJABA東北大会の決勝や南関東第1代表決定戦でも勝利を決定付かせる一打を放っており、打撃でも存在感があります。
なお、日本通運はこれで先発野手全員安打も達成し、野手陣は各々が幸先のいいスタートを切ることが出来ました。

そして9回表のマウンドには前田選手が上がります。
先発陣の一角を担ってきた投手ですが、今大会では中継ぎとして起用されるようです。

元々出力の高さには定評のあるものの、ショートイニングに徹することでさらに出力が上がっているように見えた前田選手は三振2つを含む危なげない投球でミキハウス打線を三者凡退に抑えてゲームセット。
スコアとしては5点差が付き快勝のように見えますが、実際には一歩間違えればやられていたであろう場面も多々あった厳しい試合だったと思うと同時に、ミキハウスの地力も強く感じる結果となりました。
しかし元々実力派揃いだった投手陣に加え、欲しいところで最低限の形でも点を取れるようになった打線を擁した今年の日本通運は去年までよりも確実にレベルアップしているなと確かな手応えも感じました。
さて、次の試合は稲垣選手のお兄さんも所属しているHonda熊本で、社会人屈指の強力打線を相手に投手陣がどれほど粘れるかが鍵となりそうです…と言いたいところでしたが、もうそこまで終わってしまっていますね(この記事を書いている時点でもうそこから1日経っています←)
ということで、Honda熊本戦の記事も急いで書きます。
それでは、何とも締まらない終わり方になってしまいましたが、ここまでご拝読いただきありがとうございました。